2009.01.31 一月最後のAM3:00

何気なく見上げた満月。

上空の風に煽られて、薄い雲が月をすり抜けていく。

北海道で毎朝見ていた銀色の月を、いつか妻に見せたいと思っていた。

彼女が観た事のない景色。

彼女が観たいと願った景色。

色んな場所に、一緒に行きたいと願った。

結婚式もしていない2人。
妻には、和装も洋装も似合うだろうに。
いつか、せめて写真だけでもと願った。

そんな気持ちすら、忘れていた。

そして、自分から、その願いを壊していたことを改めて感じた。

いつから、この心は変わってしまったのか。

いつから、壊れていたのか。

求める前に、相手の求める人間にならないと、きっと成立しないんだ。

愛されたいと願うなら、僅かでも愛する人の理想に近づかなければ。
彼女には、選択肢は無かったのだから。

銀色の満月を、観せたい。

いつか、きっと。