まだ生きている
生きてしまった。
心の中を、からっぽの風が吹き抜けている。
「失敗」に2文字が重くのしかかる。
見つめた天井には答えは無い。
何事もなかったかのように、幾日か過ぎた。
なにもない。
ただ、無駄に費やす日々と、虚しい心だけがある。
『自分を大切にできていないんだね』
医者の言葉が頭の中を回る。
自分を大切にできない人間が、どうして他人を大切にできようか?
神様の声が聞こえる。
そんなに簡単に楽にはしてやらない・・・と。
ならばせめて、普通に暮らせるだけの心をください。
復職どころではない。